こうべかぞくねっと

会長ブログ

2024年5月     自助 共助 公助
親なき後

  5月20日に評議員会を開催致します。すでに各会長宛てにご案内をしており、出欠の締め切りが5月10日になっております。今後3年間の進め方を説明させて頂きますので、多くの会員が参加される事をお願いしております。
 4月は私にとって高齢化を肌で感じる月になりました。9日間の入院を余儀なくされ、病室での日々となりました。今回、入院時に介護保険を持参する様に言われたこと。もうそんな歳か。母親は95歳実家で一人暮らしをしており、主治医から選ばれた95歳と冷やかされていますが、本人はかなりしんどいと嘆いています。95歳で要介護2です。痴ほうか車椅子でないと介護認定は下りないようです。(査定は厳しくなっています)
 隣の部屋は、面会謝絶の方でした。力が必要なので若い男の看護師さんがついていました。こんな時、介護保険は使われているのかと思い、年金から引かれる介護保険料に文句も言えないと感じました。
元気な間は、先の事を考えたくないものです。親なき後が正にそうだと思います。7年程前に親なき後がかぞくねっとで話題になっていましたが、コロナと諦め?で下火になっていた気がします。今回の入院で我が家の親なき後の心配は大きくなりました。会員の皆さんも高齢化が進み、我が家以上に親なき後の懸念をお持ちではないかと思っています。
こうべかぞくねっとでは、批判だけでなく、神戸市を迎えて、現実を教えて頂き、一人一人が備えるものは備えて頂ければと思っております。具体的な例は、後見人制度の理解です。教わればかなり不十分だとわかります。今回の入院で妻以外の保証人が必要でした。後見人は、そんな事はしません。それでも身寄りのない一人住まいの高齢者が増える事で、後見人の課題も解決して行きそうです。心配ばかりでなく情報収集で安心できる点も多々出てくると思います。
 過度な主張でなく、親の心配事を発していく事が改善に繋がると思っています。その為にも、感謝と親なき後の心配事を架け橋に投稿される事を願っています。


神戸市知的障害者施設家族会連合会会長 野口雄二



2024年4月     自助 共助 公助
日本人は本当に優しい国民と言えるのだろうか!

 こうべかぞくねっとの会長になり、新しい出会いが多々ありました。印象深い出会いの中で、3月に定年で退任される 神戸市福祉局 森下局長は、大変紳士で他人の話を良く聞いて頂ける耳をお持ちの方でした。家族会と言う団体なので、どうしてもこちらの考えを一方的に話しますが、まず、話を良く聞いてからお話される方(それも正直に)でした。
今後のご活躍にも期待しています。局長として長く努力をされて来られたので、部下の方々は意思を継ぎ、新しい局長の下頑張られると期待をしています。
もう一人、とこはの家の家族会会長を退任される石井会長です。かぞくねっとの会長にはなりましたが、以前の事は良く分からない…知らないと言う状態で引き受けました。
初めての対面の会長会(評議員会)で、厳しい(当たり前のこと)ご指摘もあり改善に取り組みましたが、複雑な事情もあり、困り果てました。その後指摘だけでなく改善方法まで提案して頂きました。言いたい事は言うけど後は知らんふりと言う方が多い中、フォローが如何に大切か教わりました。
会社勤めの時、上司からの指導で 耳が2つで口は1つ気をつける様にと教わりました。今でこそ、耳は2つですが? 若い頃は全部が口だった気がします。退任された お二人には大変感謝しているしだいです。
今から、30年程前に上司のリーダー教育があり、その時の内容を教えて頂いた事で今だに記憶している事があります。講師は 櫻井よし子さんで、障害者の施設が人里離れた場所にある。これで 本当に日本人は優しい国民と言えるのだろうかとお話されたとの事。企業のリーダー研修ですが、利益だけでなく人(従業員だけでなく全ての関係者)を大切にするように言われたと理解をしました。教えてくれた上司は、後に社長になられました。今 国の福祉政策は地域共生です。いまだ 指摘のあった、人里離れた場所に入所施設がある事に課題があると思います。 田中総理は、日本全土を平均化しどこでも暮らせる日本を作りました。時代は変わりました。単純なグループホームの話・入所施設解体の話でなく、国の形を変えるような国策を持ったリーダーが現れ、未来都市の真ん中で暮らす障害者と家族の笑顔を想像してみたいと思っています。


神戸市知的障害者施設家族会連合会会長 野口雄二



2024年3月     自助 共助 公助
頑張る人に

 2月24日で戦争が2年目になり、震災が2か月過ぎます。悲惨な事が起きました。
阪神大震災で被災した一人ですが、物流の仕事をしていた為止める訳には行かず、家をそのままにして、職場に行きひと月泊まり込みで頑張りました。経験からするとひと月程経って落ち着きが出た気がします。会社の応接室で止まったままの時計にやっと気づきました。時計は震災を忘れないように、止まったままの時間で保管する様にしました。数年は保管されていた記憶がありますが、建替えや私の転勤で時計の意味を知る人間もいなくなり気づいた時は無くなつていました。 時間はかかると思いますが、必ず復興するはずです。阪神大震災と比べたら、今回、政府も行政も経験を活かし良く頑張っていると思います。(被災者は初めてで不満がある事は十分承知の上です)。
政府・役所・自衛隊・医者・看護師・学校・高齢・障害者施設・警察・消防・自治会・ボランティア・等々復興に努力している皆さんの報道は沢山して欲しいと思っています。
頑張る皆さんの報道が次の対策に必ず役に立ちます。神戸市からも沢山の関係者が応援に行かれたと思います。その中のお一人で、神戸市福祉局 障害者支援課の山添課長も風呂無しの寒い体育館に寝泊まりして応援に行かれたとお話をお聴きしました。
 私は、寄付をしてもどうなったのか分からないので、あまり積極的ではありませんでしたが、阪神大震災で、会社(組合)で集めた寄付が職場のパートの社員の方まで届けられお礼を言われたことがありました。初めて寄付の実体験をしました。神戸光生園の家族会も寄付を致しました。20年前の社員のような笑顔の役に立つように願っています。
 少子高齢化で、福祉には不利な時代になります。震災で頑張る人達の様に、諦めず親が頑張らないといけないと教えられた気がします。


神戸市知的障害者施設家族会連合会会長 野口雄二



2024年2月     自助 共助 公助
改選期

 2024年は、おめでとうと言えない始まりでした。能登半島地震は、阪神淡路大震災を経験した人間として、忘れかけていた当時を思い起こす時となりました。更に 羽田で、日航機が追突炎上した事故は衝撃的でした。被災がなかったら、海保機が滑走路にいる事もなかったと思うと亡くなられた事は本当に残念に思います。
日航機の乗客・乗務員全員が無事だった事は、責任感あふれる乗務員の日頃の訓練(準備)と指示に従った乗客の皆さんは、まさに日本人の見本を見せてくれたと思いました。
結果の違いはどこから来るのか?  運で片づけるのは少し違うと思っています。
2023年は、大谷翔平大リーガーの活躍で感動をもらった国民が大半だったと思います。
日航事故で、乗客を救ったのも、翔平さんが大リーグで活躍したのも、明確な目標と達成の為の準備をしてきた結果であると思います。
更に、機長を中心としたクルーのチーム力・翔平さんのチーム力が難しい目標を達成させたと思います。目標達成には、一人で頑張るのでなくチームが一丸となって進むことが大切になる事は、だれでも理解する点だと思います。
こうべかぞくねっとは、2024年が理事の改選期になります。障害児(者)の安心安全を確保する為にも理事と各会長の協力が無ければ、達成は難しいと考えております。是非 理事に立候補して先頭に立っていただけることを期待しています。

神戸市知的障害者施設家族会連合会会長 野口雄二



2024年1月     自助 共助 公助
8050から9060へ

 2024年度が皆様にとってより良い年になる様に願っております。
昨年は、不十分ではありますが、ほぼ計画通りに遂行出来たと思っています。
 会長として、3か年計画を掲げ毎年の行動計画に基づき進めておりますが、既に3年が過ぎてしまいました。計画未達の為、引き続き同じ目標で3か年計画を引き継ぐことになるかと思います。計画は全員参加の試みとなっていますので、ご協力をお願い出来ればと思っています。
こうべかぞくねっとの目標は、地域一番の家族会ですが、具体策が土台作りの為、目標を達成したから、障害児・者の安心安全の解決という訳ではありません。でも 間違いなく今後に向けて大きな力になると確信をしています。
 会長になって、1番疑問に思う事は、知的障害児(者)を理解した福祉政策が進められているのか?と言う点です。もちろん、福祉に関係した皆様のご努力を承知した上での懸念であります。間違いなく障害者の福祉は良くなったと実感しています。その事が、今の若い方にとって、将来も良くなるだろうと考える根拠かと思います。
福祉の課題は複雑多肢にわたり理解もしていますが、知的障害を持つ親ですので、どうしても我が子を優先してしまいます。福祉は、生まれてから墓場までと言われ、人の一生の問題です。
少子化で障害児政策は見える気がしますが、親なき後の高齢障害者政策が良く見えない気がします。地域共生が国の政策の為、直近の親なき後の心配を深いものにしていると感じています。
地域共生は望まれる社会ですが、その基盤が伴っていないのが現実です。もちろん整備されて行くものと信じております。
地域共生策の中、しっかりとした知的障害者のおかれている現状を把握され、修正を加えながら、国の政策が進む1年を期待しております。

神戸市知的障害者施設家族会連合会会長 野口雄二





2023年12月     自助 共助 公助

研修会開催の目的

 11月16日に 来賓に神戸市知的障害者施設連盟の住谷副会長、講師に神戸市福祉局障害者支援課 黒田課長を迎え こうべかぞくねっと研修会を4年ぶりに開催する事が出来ました。
 当日は、2023年度方針に沿って、会員のほか 日頃お世話になっている施設関係者の皆さんや友誼団にも参加をお願い致しました。
 講師にとっても、施設関係者・友誼団体にとっても、もちろん会員にとっても、会がお役にたつようにという思いを目的と致しました。
 会長として、初めての開催で、前回の研修会は病気の為、欠席しましたので実に5年ぶりの参加となりました。その上、副会長2人が不在となり、一人で進めた為反省する点が多々ありました。それでも 理事とアシスト園(神戸光生園家族会)の協力で無事終えた事に感謝しています。
 研修会は開催する事が目的ではありません。今回の会に 会員だけでなく、神戸市・施設関係者・友誼団体に同じ場を提供する事が出来た事は、家族会の今後に繋がると思っています。
講演内容は、アンケートでもわかりやすいものであったとの事、質問にも真摯に回答いただいたと思いました。講師の人柄が出た講演であったと思います。
家族会の活動報告では高齢化と役員のなり手の課題も共通しており存続が難しい課題だと思います。施設の課題もお聞き出来ればよかったのですが、時間の関係で場が出来ませんでした。会員も自分たちの立場だけでなく、神戸市・施設の立場も理解して、一緒に進んでいく時代だと考えています。
各自の家族会だけで 悩んでいないで、神戸市・施設・友誼団体と一緒になりお互いの立場を理解し活動する方向に目を向けて頂くと心配の種も1つ減るのかと思っています。
最後に、各家族会の年度事業計画にこうべかぞくねっと評議委員会(総会)参加 研修会参加を明記して頂きたいと思います。
単に 会長・副会長だけ参加すれば良いという従来の内容でなく、会員の為の連絡会である事をご理解してもらい、家族会を旗印に理事だけでなく、各会長を筆頭に会員全員が一緒に活動する会となることを熱望しています。

神戸市知的障害者施設家族会連合会会長 野口雄二





2023年11月     自助 共助 公助
 親の望み!

 こうべかぞくねっと会長(障害を持つ子の親)として、入所施設は必要と発信して来ました。24時間の住まいと食事が確保されている事に感謝しています。親として最低の望みです。
ところが、最近の物価高で法人経営が大変だとお聞きします。かぞくねっとでは、知的障害者施設への特別なご配慮の要望書を提出しています。食材は確実に値上がりしました。
 施設に業者から要求されるお金を用意出来ない場合、今度は請け負う業者の皆さんが心配です。ある日突然辞めた!では、これまでの安心安全が崩れてしまいます。最近、学校給食を提供していた会社が経営難で突然辞めてしまったニュースは皆さんもご承知だと思います。
 長い間、日本はデフレでした。デフレが基準ですから、そもそも前提が崩れているのが現状です。コロナで経営難になった次は物価高! 昨今の福祉経営は大変だと考えます。
私は、以前から不思議に思っていたのが、福祉の経営は、お金を貯めず、サービスに残らず使うように指導されていると聞いています。
利用者にとっては良いように聞こえますが、100年の経営を考えたら少し違う気がします。もしも、私の聞いた話が本当なら、そうだとしたら、こんな時は特別な支援が福祉経営先に必要です。不正請求がニュースになったりしますが、真面目に指導通りにしている法人が馬鹿を見る事にならないようにと思っています。
 知的障害者は、程度に違いがあっても誰かのお世話が必要です。家族・利用者の皆さんは、人より贅沢を望んでいるのでなく、安心安全な生活を望んでいると思っています。
地域共生に反対するつもりは毛頭ありませんが、これまでの歴史で日本の入所施設は、国・行政・施設・支援員・家族の皆さんで、まさに 安心安全の努力をされてきたと思っています。
それでも安心安全を不安視する点もあるかと思いますが、単純に入所施設が否定される事のないように、こうべかぞくねっとは努力をして行きたいと考えています。


神戸市知的障害者施設家族会連合会会長 野口雄二




2023年10月       自助 共助 公助
心配を声に

 最近、高齢者の親と子供のニュースを見ます。高齢の親と障害を持った子供が亡くなった記事が出ていました。施設に来るはずの利用者が来ないので、見に来た施設の方が発見したとの事。
 こんな事を言うと叱られるかと思いますが、亡くなった事は残念に思いますが、心配し、見に行ってくれた施設の方がいた事に何故かホットした気分になりました。親なき後、こんな方がいる施設に子供を見て頂ければと思った次第です。
 高齢の親と同居の子供(引き篭り)が亡くなったニュースもあります。8050は思う以上に進んでいるのが現状と見ています。もちろん対策は進められていると思いますが、それでも具体的な現状把握と具対策が見えてこないのは心配です。
 少子化で将来が心配ですが、高齢化は今の問題です。親の介護で離職をする方が多いそうです。親の介護施設も不足です。親も元気な間に子供の将来を考えないといけない時代になりました。その為には、介護の仕組みや法律も理解しないといけないのかと思います。
 昔と違い、相談できるセンターもあります。相談される方からしたら、そんなに心配なら何故 もっと早く相談しないのかと言いたくなる時もあるだろうと思います。
 現役時代、上司が烈火のごとく怒った時、そんなに怒るなら、何故 普段から言わないのかと不思議に思った事があります。普段 声も上げないで、結果だけで批判する事のないように、架け橋に親の心情を声にして届ける努力をしてみましょう。

神戸市知的障害者施設家族会連合会会長 野口雄二





2023年9月        自助 共助 公助

改革に待ったなし!

 施設での虐待問題の解決は、単に啓蒙だけでは解決しないと思っています。大きな変化が起きています。少子高齢化です。いろいろ問題化していますが、慢性的な人手不足は介護の職場だけでなく、先生・お巡りさん・お医者さん等々全ての職場で起きています。学校のいじめが無くならないのも、詐欺や凶悪犯罪が増えているのも、少子高齢化の中の人手不足が大きな原因だと思っています。ゆとりが無くなりました。日本人として、国として大きな決断の時です。人手不足は、すでに日本人だけで解決できる問題ではありません。母親は戦争を経験したせいか、外国の人はあまり好きではありません。若者には、そういう人は少ないのかと思いますが、国を預かる人は、若者ではありません。預かる人は、無責任ではありませんから、検討ばかりで、なかなか、現場の人手不足は解決しません。新聞の社説に貴重な担い手をどう増やすか 介護の外国人材が掲載されていました。厚生労働省が、検討会を進めています。外国人を増やせば当然問題も想定されますが、課題を解決して進んで欲しいと思っています。
少子高齢化を前にして、日本の生産性が低い問題は、以前から言われていたことです。働いていた会社のテーマがオールデジタル化でした。ずいぶん前から取り組んでいます。マイナンバーで批判を受けていますが、日本再生にはデジタル化は欠かせない事です。
でもミスがあると批判は当然です。マイナンバーの批判を教訓に、外国人雇用を増やして、先々発生する問題の対応まで考えスピードをもって進めてもらいたいと思っています。
新しい挑戦は、難しいものです。こうべかぞくねっとの改革も小さな改革ですが、架け橋は高齢化を迎えた家族会の一つの新しい発信のあり方だと思っています。

神戸市知的障害者施設家族会連合会会長 野口雄二